2023年5月8日から、感染状況やワクチンの普及、経済活動などの観点から、新型コロナウイルスは5類感染症に分類されることになりました。
しかし、慢性腎不全の患者様、特に透析治療においては感染および増悪のリスクが高まることが懸念されます。
そのため、ご来院時および送迎車内でのマスク着用、入室時の手指アルコール消毒、体温測定を引き続きお願いいたします。また、ご自宅で発熱などの症状がある場合は、必ずご来院前のお電話をお願いいたします。感染検査や来院時間の変更、感染防御シェルター利用などの対策をご案内いたします。
皆様のご理解とご協力をいただけますよう、お願い申し上げます。
患者様とスタッフの安全を第一に考え、感染拡大の予防に最善の努力を払ってまいります。
2023.7.3
当クリニックでは、慢性腎臓病の外来患者様に対して、eGFR(推定糸球体濾過率)の推移を示したグラフを活用した診療を行っています。eGFRは、腎臓の機能を評価する指標であり、患者さんの腎機能の変化を把握するために重要な情報となります。
▼当院で外来患者様に提供しているeGFR推移グラフの例(クリックで拡大できます)

私たちは、患者さんの健康状態を継続的にモニタリングし、eGFRの推移をグラフとして視覚化することで、的確な治療プランを立案するお手伝いをしています。グラフを通じて、腎臓の機能の低下や病状の進行を早期に捉えることができます。
このeGFR推移グラフは、患者さんご自身やご家族の方々にとっても、腎臓の健康状態を理解するための貴重な情報となります。また、治療の効果を評価する際にも有用であり、治療の適応や調整に役立てることができます。
2023.2.7
────────────────────────────
■腎臓病の早期発見のために
────────────────────────────
お小水を作っている腎臓に病気が起きると、尿に異常が現れます。しかし、痛くも痒くもなく、見た目が変わらないこともあります。この異常を早期に発見するには、会社や自治体の健康診断や人間ドックを年に一度受けることが大切です。これらの検査項目には尿検査が必ず含まれます。また、既に通院中の方は、そこの先生に相談して、尿検査のある健康診断ができるか否かをご確認ください。
────────────────────────────
■腎臓に関する検査項目
────────────────────────────
腎臓に関する検査では、尿蛋白、尿潜血および血液のクレアチニンを測定することが大切です。検査結果に異常あれば受診を勧められますので、症状がなくても、そのときに腎臓内科をご受診ください。
ただし、見た目でわかる血尿、排尿に関する症状があり腰痛を伴う時は、先に泌尿器科をご受診くださるとよいかと思います。
────────────────────────────
■腎臓を長持ちさせるポイント
────────────────────────────
腎臓の検査値が悪くなり始めたら、腎機能を長持ちさせ、それ以上悪くならないよう、定期的に腎臓内科にかかり続けてください(仮に1年に1回でも、次回の予定を担当医に確認してください)。
日常生活では、以下のポイントを気をつけましょう。
○自宅血圧を測り血圧を正常に保てるよう、記録して担当医に見せる。
○適切な体重を保つ
○尿酸と脂質の目標値を維持するよう、服薬と食事指導を守る。
○血糖を適切に保てるよう服薬と食事指導を守る。
○自己判断で服薬を中断しない。サプリメントや、他科の薬は、腎臓内科医に確認する。
○クレアチニンが高い、あるいは蛋白尿が続くなら、腎臓内科の主治医をもつ
上述の点を意識して、腎機能を大切にお守りいただければと思います。
2022.11.2
コロナは一瞬の下火ですが、最近、一気に寒くなりましたね! 寒冷・感染症は慢性腎臓病の大敵です! 保温と加湿でケアください。
慢性腎臓病の方の腎機能を守る作用を持つ薬がこの数年で出てきました。しかし、病気があまり進行してからでは効果に乏しく危険性が上がるので使用できません。
ですので、健診で腎臓の項目がひっかかる方・主治医に腎臓内科受診を勧められた方・腎機能低下傾向が続いている方におかれましては、現在の腎機能評価・慢性腎臓病の基となった病気の確定・今後の進行度の予測・腎臓の働きを保つ対策を知る、などを目標として受診してみましょう。
特に、高年男性で生活習慣病の管理がうまくいっていない方の慢性腎臓病は増えています。その方々が将来透析療法を必要としないでいられるように治療を受けることはとても大切です。
また、尿に蛋白が出続いている方は、何の症状がなくても腎機能が低下しやすくとても危険です。詳しい検査をおすすめします。
透析治療を必要とする慢性腎不全の患者さまにとっては、より元気で暮らせるために、よりよい透析手法を選択することと、腎不全の合併症の診断・治療を長期的に行なっていくことが大事です。
治療内容を把握され、患者さまのご要望や困りごとと擦り合わせて、よいご加療をうけていただけると嬉しいです。